2010年6月 定例山行報告

十文字峠(2072m) G3 6月5日(土)〜6月6日(日)

天候: 1日目曇り、2日目晴れ

参加: 12名(視覚障害者3名,晴眼者9名うち会友1名)

コースタイム概略 : 
1日目 毛木平発12:00、十文字山着14:20、十文字小屋着15:00 2日目 十文字小屋発5:30、四里避難小屋6:40、三里9:00、二里白泰避難小屋11:40、一里13:40、栃本15:40

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◆新緑の中毛木平からスタートする◆ ◆八丁の頭までの急登◆

 紅花イチヤク草の咲く毛木平に着くとすごい数の車が止まっていて、こんなに沢山の人が山に入っているのか、と驚く。美しいものを見たいのはみな同じ、私たちもシャクナゲに大いに期待しながら出発する。日帰りで下山してくる人達に情報をもらいながら登っていくと、ちらほらとシャクナゲとヤマツツジが現れる。まだ硬いなあ、満開になるのは来週か?思いのほか早めに峠に着いたので、そのまま十文字山に登ってしまう。あまり人が行かないところのようだ、勤勉な私たちにご褒美は何かないの?と聞いたが「展望無し、シャクナゲなし、特記事項なし」のチーフの愛想なしのお答え。その通りの山頂だったが、ここが今回の最高峰である。
 下ってきて、シャクナゲは小屋の周りが一番良く咲いていた。暖かいからだろうか。展望台にも行ってみたがこちらもまだだった。小屋は蚕棚ベッド式で一人ずつスペースが確保され快適。食事は大変減塩の健康志向食。トイレが遠いのはちょっと困ったが、全体としては感じの良い小屋だった。美味しいお酒、八海山をいただいて、早めに就寝。
 翌朝・・・5時半出発と言うのに4時過ぎにもう起きだして食事の用意をしている人がいる。歩き出して1時間ぐらいしてから食べる予定だったのに、全くせっかちなことだ。木立越しにご来光を拝み、その後することもないので予定より少し早く出発。しばらくは苔むした深々とした原生林の中を進む。チーフが言うには「ここに来ると嬉しくて自然に顔がニヤニヤしちゃう」と一人ご満悦。この辺りは、シャクナゲもよくほころんでいる。誰にも会わない予定だったが、四里観音小屋に泊まったらしい2人に出会って驚く。
 四里観音避難小屋で朝食とトイレを済ませ、先を目指す。三里まではちょっと登ったり下ったりで、全体的に樹林の中で見晴らしはあまり良くなかったが、木々の生き生きした深緑と時々現れるツツジ・シャクナゲを楽しみながら歩く。三里観音は路の途中にひっそりと立っていた。だいぶ磨り減ったお顔を撫で回してから二里観音の白泰小屋を目指す。
 この間、難所が多く苦しいと聞いていたが、全くその通りだった。路が流れていて靴幅やっとだったり、路肩が軟らかく崩れたり、すべる笹の上のきれ落ちた箇所が続いたり、緊張する所だらけだった。ペースが落ち、足が進まなくなる人が出てきて、サポートも頻繁に変わってもらうようにしながら何とか白泰小屋にたどり着く。疲れた人を小屋に残し、脇のぞき岩に登る。ほほう!!しばらくぶりの大展望だ。山座同定はあまりよくわからなかったが、八ヶ岳とアルプス方面の雪山が見えて一応満足して下る。昼食を食べ、疲れた人にはアミノバイタルなどの即効サプリを飲んでもらい少しでも元気になってもらって歩き出す。
 この先は今までよりは道も歩きやすく、疲れた人もサプリも効いてきたみたいで助かった。一里観音は道端にあった。最後の観音様を良く撫で回して残り少なくなった行程をそれぞれに思いつつ進む。一度車道に出て、ほっとするがまだ1時間以上あると言う。気を持ち直し、植林されたスギ林の中を進む、伐採された枝に蹴つまずきながらヨレヨレと下る。お店がないのは知っているが気分は「ビール飲みたいな!」、「酒屋は開いているかな」、[民家にいって譲ってもらえないか]とか真剣に話しながら行くうちに、両面神社にやっと到着。長い長い道のりでした。あとは車道を30分程で栃本関所跡に着く。何と嬉しいことにSさんがお店を見つけビールを調達してきてくれた。すばらしい!!!こんなに長い道のりを全員無事に行ってこられたのは行動力とやさしさにあふれるチーフと道々の観音様のおかげですね。ありがとうございました。お山に感謝!!

◆乙女の森のシャクナゲの群落◆ ◆苔蒸した静かな山道を歩く◆
◆四里観音で昼食タイム◆