「触地図の世界へようこそ」 2

触地図作成グループ


今回は触地図を実際に作っていく過程をお話しましょう。



 @ 第一段階  下図を作る。

a. 墨字の地図を拡大・縮小して、山行のコースがB5サイズに収まるように調整する。

b. 北を上にして、電車・バス道・登山道や山頂・峠・分岐・神社・湖などのポイントを、B5の点字用紙に鉛筆で写しとる。
要点をおさえ、分かりやすくを心掛ける。
縮尺・標高もなるべく調べて入れる。
触地図の場合、等高線を入れることが出来ないため、標高の表示は大切なことです。
又大まかな距離をつかむために縮尺が必要です。

完成した下図の写真
完成した下図



 A 第二段階  原図を作る。

下図の線の部分は、直径0.6mmと0.8mmのハンダ線を加工し、使い分けてボンドで貼り付ける。
また山頂・峠・山小屋・バス停などは、それぞれ三角・四角・丸などの印を形作り、のりで貼り付ける。
コースやポイントの説明は点字を打った紙をそのそばに貼る。
タイトル(山行先)・日付・1km=何pの表記もする。
この第二段階を山行担当者とスタッフ全員が集まって作業します。
勿論校正も視覚障害者のスタッフが厳しくチェックしています。
完成した原図の写真
完成した原図



 B 第三段階  触地図完成。

    原図をサーモフォームと言う機械にかけて必要枚数コピーする。
    地図には縦書き・横書きがあるため、上を北と決め、右上角を切り落とす。
    弱視者用には、地図の浮き出した部分を黒のマジックインキでなぞったものを用意する。

サーモフォームの機械の写真 完成した触地図の写真
サーモフォーム完成した触地図



 以上で一通りの工程が終わります。
 出来上がった触地図は、視覚障害者が読んでその人なりに理解してくださってはじめて完成といえるのです。


 次回は、
 2. これまでの問題点
 3. これからの展望
 についてです。


  <触地図の世界へようこそ3> へ続く


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