2009年 6月 会山行報告

根子岳(2207m)・四阿山(2354m)  
G3 ・ 6月13日(土)-14日(日)

天 候 :  曇り

参 加 : 18名 : 視覚障害者  5名(会友  名)、 晴眼者 13名(会友 1名)

コースタイム概略 : 
13日 池袋→上田→菅平→湿原散策→草笛山荘
14日:草笛山荘(6:00)→ダボス登山口(6:30)→根子岳→十ヶ原→四阿山→ダボス登山口(13:30)→草笛山荘(入浴)→上田(17:03)→大宮(18:06)

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◆ 一日目、カッコの声を聞きながら湿原散策 ◆ 根子岳山頂標識を一寸借りて、ハイポーズ

 どうやら、今回のメンバーの中に「雨女」「雨男」以上の「雷女」「雷男」が居たらしい。「今日はがんばるぞ〜〜」と起きた菅平高原「草笛山荘」早朝四時半。前夜確認した菅平のピンポイント天気予報では、朝の三時から六時までの降水量0ミリ。それを覆す、目を疑うばかりの雷雨。「雷女」又は「雷男」の力は絶大だ。山ではこの時間「霰」が降っていた。登山中ずっと登山道の左右に「霰」が美しく白い姿を綺麗に揃え我々を迎えてくれた。
 今回の山行は長野県菅平の花の百名山「根子岳」と日本百名山「四阿山」二つの百名山を登る「欲張りコース」リーダーはHさんである。Hさんは山での知識が豊富であることはもちろんであるが、何よりHさんの山行の良い所は、人を山へと導くだけでなく一日を朗らかで楽しいものにしてくださることにあろう。今回それは参加された皆さん全てが感じられたことではないだろうか。六つ星山の会は実に良い講師を迎えたのではないだろうか。
 さてさて、そのプロフェショナルなHさんは良いとして、問題はこの素人の私。二年前に会の先輩に教わったことの全てをこの二年間で忘れてしまい、先導するのに背中のロープに駄目だしを出されたばかりでなく、先導中にパートナーを谷底へ落してしまう寸前の「ヒヤリ・ハット」をさせてしまった。
 岩場を降りる時であったが、最後の最後でパートナーの降りる足の位置に注意を払わずにいたものだから最悪の事態を招く一歩手前の事件を起こしてしまった。私が降りたその後にパートナーが足を降ろした場所は、私が足を降ろした場所よりさらに谷寄りの場所だった。するとどうだろう。一瞬目を前に向けていた私が次に振り向いた時、パートナーが視界から消えた・・・実は地面があると思った場所は下が抜けていた。結果、彼が乗った瞬間その場所は穴となり我がパートナーを飲み込んだのであった。こんなに驚いたことは久しくなかったことなので、本当に驚いた。
 私がそんな状態であるから、落ちた本人の驚きはいかほどであったかが想像できようというものである。誠に申し訳ないと思う気持ちで心が埋まってしまったが、その後落ちた本人がそのことについて怒るでもなく、私に気を使ってくれたこと、そして大難を小難にして下さった根子岳の山の神にただただ感謝・感謝。その後山の神を祭ってある場所で二人して手を合わせたことは言うまでもなかった。数年分の運の全てをここで使い果たしたのであろうが、それでかまわないと思わせた事故であった。Hさんのようなプロフェッショナル、即ち「芸人(くろうと)」は何事も「苦労と」しない、私のような素人は何事も「知ろうと」しないとはよく言ったもので、実に反省ばかりの山行でありました。皆さんどうもすみませんでした。

◆ 湿原に咲いていた花.....(どなたか名前おしえて!) ◆ 可憐に咲くミツバオーレンとコイワカガミ
 山は、幸いに花が満開でその色と匂いと美しさに感嘆してしまいました。レンゲつつじのオレンジなどは、私の目に「百年プリント」として残るでしょうし、登山道の両サイドに咲いたコイワカガミは絶品。カッコーは鳴き 、ウグイスはさえずる。ホウジロとキセキレイが出迎えてくださった日本を代表する二つの名山。「一期一会」の自然との語らいに酔いしれる。そんな山旅でした。山頂での人の多さには驚かせられましたが・・・
 帰路の電車で一日を反省しながらも、思ったことがあります。
 それは何故この会の山旅が楽しいのかです。その何故はおそらく多くの原因の複合体なのであることは間違いの無いことです・・が・・私はふと思いました。私にとってその理由の最大要因。それこそは「山に集中出来る」ということです。「歩く・登る・下る」実にシンプルなこの三つの行動。このことに集中して山に入ったのは、いつ以来のことだろうと思った時、体力の無い子供のころ歯をくいしばって登った北アルプスの山々を思い出すことが出来ました。昔「食う、寝る、遊ぶ」というキャッチコピーがありましたが「歩く、登る、下る」もなかなかどうして、私を楽しませてくれるのです。
 今回私のパートナーが宿で夜バロック・フルートという現代我々が目にするフルートの祖先となる楽器を演奏してくださった。正しくそれこそは木管楽器。生まれて初めて聴くその楽器は実に安らぐ音色を響かせてくれた。たまには、山以外にもこのような「文化会」を山の夜に是非ともやっていただきたいものである。
 最後となりますが、私は以前この会に参加した体験をヒントに子供向けのファンタジー小説を書いてみました。もし読んでみたいと思われる勇気と暇を持ち合わせた方がおりましたら、無料で送らせていただきますので、ご連絡ください。読んでみて、心付けをと思われたら六つ星山の会の口座まで御寄附願えれば幸いかと存じます。部数のある限り送らせていただきます。残念ながら点字では無いので悪しからず。。。

◆ 四阿山山頂にて、皆好い顔してるでしょう! ◆ 美しいレンゲツツジに負けてない六つ星の昔乙女たち