2014年9月 定例山行報告
第14回視覚障害者全国交流登山大会 : 9月13日(土)〜15日(月・祝)
<大会概要>
日時:2014年9月13日(土)〜15日(月・祝)
宿泊場所:会津磐梯高原・国立磐梯青少年交流の家
参加者数
全体 252名(内視覚障害者70名) 六つ星山の会 32名(内視覚障害者7名)
注)現地で協力して頂いた登山団体等は含みません。
登山コース別参加者数
ハードコース・磐梯山 106名(内視覚障害者28名)
標準コース・安達太良山 114名(内視覚障害者33名)
ソフトコース・五色沼 31名(内視覚障害者9名)
本部 1名
参加団体
山口ささゆり会、歩く会・友遊(広島)、岡山こまくさハイキングクラブ、しまね四季の学び舎
四国ポレポレ山楽会(高知)、NPO法人ハイキングクラブかざぐるま(大阪)、山ネット(兵庫)
HCカメ03(兵庫)、京都山の子会、富山三ツ星山の会、新潟あいゆー山の会
NPO法人山仲間アルプ、六つ星山の会
登山協力団体
福島県山岳連盟他
懇親会出演
杉妻芸能協会(福島県)、ピアニスト・YOUTA氏(三ツ星山の会・全盲)
主催団体
NPO法人山仲間アルプ
全体感想
天候は曇りときどき晴れ、一時にわか雨。
安達太良山は100名以上の方が頂上に登り、五色沼は全員がコースを完歩しましたが、磐梯山は他の登山客も多数いて混雑がひどかったなどのために、
六つ星と京都の班は時間切れで途中から引き返さざるをえませんでした(他班は登頂に成功)。
なお、六つ星は往復、貸切バス。帰路は江戸時代の宿場町がそのまま残る会津の「大内宿」に寄り、名物の「ねぎそば」(箸を使わず、ねぎ1本でそばを食べるもの)を味わって帰りました。
また、2年後は3月4〜6日に広島「歩く会・遊友」の主催で、宮島の「弥山」(535m)の登山を主体に第15回全国交流会が行われる予定です。
(T.T記)
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磐梯山(1,816m)・ハードコース : 9月14日(日)
天候:曇り時々晴れ、一時にわか雨
参加: 13名(視覚障害者3名,健常者10名)
コースタイム概略 :
青少年交流の家(8:15)−(貸切バス)→(9:00)八方台登山口(9:15)…(9:55)中の湯跡・小休止(10:05)…(12:40)弘法清水小屋・昼食休憩(12:50)…
頂上手前の登山道で折り返し(13:25)…弘法清水小屋(13:45)…(14:40)展望の開けたところ(14:50)…(15:15)中の湯跡(15:20)…(15:50)八方台登山口→青少年交流の家
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八方台登山口でバスを降り、ストレッチ体操後、出発。 しばらくは緩やかな登山道だったが、総勢108名のハードコースは早くも大渋滞。 他の登山客の追い越し、すれ違いで、牛の歩みとなり、磐梯温泉「中の湯跡」手前で小休止。硫黄の臭いがする湯跡の建物を通過すると、 この辺りから更に道幅は狭くなり、渋滞はますます激しくなる。 途中、見晴しの良いところに何度か出るが、立ち止まって景色を観るどころか、頂上に行けるかどうかが気になり、7班を追い越して弘法清水小屋に着く。 急いで昼食を済ませ、時間の許す限り、行けるところまで行ってみようということで頂上を目指すが、30分ほど登ったところで、 急登と渋滞で頂上に達しても下りるのに相当時間がかかるだろうと判断。ここで頂上は断念。弘法清水小屋に引き返し、そのまま下山を開始。 下山途中、展望の開けたところで、景色を眺めると、眼下には、桧原湖、小野川湖、秋元湖、五色沼が映り、しばし、きょう1日を振り返り、再び磐梯山に来ようという声が上がった。 登りで通過した「中の湯跡」は、白く濁った温泉が泡を立てて湧き出ていたので、熱いと思って恐る恐る手を入れてみたが、意外にぬるく拍子抜けしたような感じだった。 昔あった温泉も今はすっかり枯れてしまったようである。 すぐさま「中の湯跡」を後にして八方台登山口へ下山。そして7班が到着するのを待ってバスに乗車し、交流の家に17:30頃帰着した。 (追記)六つ星会員だけで班編成された8班は最後尾を歩き、前を歩く隊列が渋滞のため頂上直下の弘法清水に着いた時には、既に予定時間を過ぎていた。 磐梯山山頂を目指すと下山時間を大幅に過ぎる恐れがあるため、残念ながら登頂を断念したが、予定の下山時間までに登山口に戻ったのは私達8班だけで、行動予定時間をきっちりと守った六つ星のメンバーは、さすがだと思った。 (Y.H記) |
安達太良山(1,816m)・標準コース : 9月14日(日)
天候:曇り時々晴れ、一時にわか雨
参加: 14名(視覚障害者3名,健常者11名)
コースタイム概略 :
青少年交流の家(8:10)−(貸切バス)→ゴンドラ麓駅(10:00)−(ゴンドラ)→ゴンドラ頂上駅(10:10)…表登山口分岐点(11:00)…(12:30)安達太良山頂上(12:50)…
(14:20)表登山口分岐点(14:30)…ゴンドラ頂上駅(15:00)→(15:05)ゴンドラ麓駅(16:20)→青少年交流の家
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安達太良連峰は那須火山に属し、磐梯朝日国立公園内の南端に位置し、南から北へ和尚山、安達太良山等と連なっています。
この主峰である安達太良山は別名「乳首山(ちちくびやま)」とも呼ばれ、活火山の一つであり、日本百名山のひとつでもあります。
また、9月はリンドウの花が見ごろです。 宿をバスで出発し、奥岳登山ゴンドラ駅に到着はしましたが、3連休の煽りもあり相当な混雑で、イライラしながら長時間待ってゴンドラに乗り込みました。 頂上駅に着くと、早々にパーティごとに出発。六つ星班は最後の出発となりました。最初は木道を進み、分岐点は予定タイムで通過。 分岐点からは少し登り坂となりましたが、混雑のため交互通行となり多くの時間を取られました。 暫く登っていると、Fさんが岩に足をぶつけて負傷し下山をせざるを得なくなり、Yさん、Hさん、山岳会の方にサポートして頂き下山。 皆様ありがとうございました。 残りの5名のチームは一路頂上を目指し、混雑の中を無事頂上に到着しました。ただし、時間がせまっており、広い頂上での昼食もそこそこに下山となりました。 下山は順調で、特にNさんが頑張り、他のパーティーを横目に見ながらトップスピードでの下山となりました。 終わってみれば、1700メートル級での楽しい山行でした。 (S.S記) |
五色沼・ソフトコース : 9月14日(日)
天候:曇り時々晴れ、一時にわか雨
参加: 5名(視覚障害者1名,健常者4名)
コースタイム概略 :
青少年交流の家(8:40)−(貸切バス)→裏磐梯ビジターセンター(9:30)…毘沙門沼(9:50)…赤沼(10:20)…竜沼(10:40)…弁天沼(11:00)…
柳沼(11:30)…(11:40)裏磐梯高原駅(物産館)道の駅・昼食(12:25)…「磐梯山噴火記念館」脇を通過…東北自然歩道入口(13:00)…
檜原湖入り江・小休止(13:40)…吊橋(14:10)…キャンプ場(14:50)…休暇村本館(15:10)→青少年交流の家
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以前から行きたいと思っていた裏磐梯五色沼ハイキングコース。でも前日に、五色沼は前半で、後半は桧原湖を巡る長いコースと知って内心不安になった。歩けるかなあ。 当日は宿から見える猪苗代湖が朝霧に包まれ雲海の下に。晴れる前兆。他のコースの方々を見送った後、マイクロバスで出発。 好天。約一時間でコース出発点の裏磐梯ビジターセンターへ。駐車場にマイカーが沢山。連休で家族連れや団体も多いらしく、人気コースだと気付く。 湖沼は1888年の磐梯山の噴火による山体崩壊で生まれた地形だそうだが、沼ギリギリまで木々が覆い、水草も繁茂している。 酸性が強い沼もあるそうだが、そこにも順応した藻が生えているという。自然の回復力、生命力を感じる。 太い樹は無いが、林の中の心地よい道。ただし脇を見ると大きな岩が鎮座していて驚かされた。噴火時の遺物なのだろう。足元にも角ばった石が多く出ていて気を抜くと躓き易い。 沼は瑠璃色の部分や赤茶色、濃い緑色等…、また、同じ沼でも場所によって色の変化がある。沼によって雰囲気も違う。沼の大きさもまちまち。空を写している沼もある。 五色とはいかないけれど、其々に特徴がある。 私達が慎重に歩く為、一般の人が後方に渋滞してしまい、適当な場所で避けて追い抜いてもらいながら歩く。林内は直射日光が当たらず気持が良い。 不意に広場に出たと思ったらそこは昼食休憩の場所「裏磐梯高原(物産館)・道の駅」だった。 お弁当を建物内で食べる。中はかなり広いらしく、地元の物産が多くある様だったが、ほんの一部を観ただけで出発時間になってしまい、少し残念。 車道を30分程歩き、東北自然歩道へ入る。桧原湖の東岸を巡る道は全て簡易舗装路で、躓く心配はないが、林内なのに土を踏めないのが残念。 こちらのコースは一般の人が少なく、静かで気を使わずに歩けた。湖岸では子供がボート遊びや水泳をしていて、驚く。皆しばしそれらを眺めながら小休止。 冬にスノーシューで凍結した桧原湖の上を歩いた事を思い出しながら出発。いつしか、京都山の子会の明るいメンバーと六つ星のメンバーでおしゃべりをし、笑い合いながらの楽しい歩きとなる。 紅葉には早いが木の実や花やキノコが見られた。ときたま、鳥の鳴き声がするが、種類は不明。 湖岸に掛る吊橋へ。少々揺れたが、しっかりした作りのようだ。湖面からかなり高い様子。 残り1km弱のキャンプ場付近でパラパラと雨。天然ミストが「御苦労さま」と汗を引かせてくれたように感じた。雨具を使用する事なく目的地へ。 マイクロバスで宿舎へ無事帰着。皆様に感謝です。 (E.S記) |