2022年6月 定例山行報告

蕨山(1,044m)・G3 : 6月26日(日)

天候:晴れ

参加:22名(視覚障害者6名,健常者16名)

コースタイム概略 : 
飯能駅(8:00)→(9:00)名郷バス停(9:10)・・・登山口(9:26)・・・枝尾根分岐(10:10)・・・(11:50)蕨山(昼休憩・希望者のみ蕨山最高点往復)(12:25)・・・(12:30)蕨山展望台(12:35)・・・藤棚山手前分岐(13:03)・・・(13:33)大遠見山(13:41)・・・西平山(14:23)・・・小殿山(14:50)・・・下山口(15:30)・・・(15:40)小殿バス停(16:02)→飯能駅

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◆晴天の中、張り切って出発◆ ◆沢を石伝いに徒渉し横切る◆
◆枝尾根分岐に向け急登をこなす◆ ◆第1の岩場を登る◆
「呪われた蕨山山行」と、ドラマチックにもなりたくなる。

そもそも2020年4月末に実施予定だった。参加希望者も集まってきており準備も整いかけていた矢先、第1回緊急事態宣言が発出。中止となる。
2年後の4月に再計画。しかし、程なく梅雨真っ只中の6月26日に変更。今回山行の核心部であるバリエーションルートが長雨で滑りやすくなれば体力的にも技術的にもG3を超えるレベルになってしまうと頭をかかえる。
ところが梅雨に入ってみると例年にない空梅雨で山行1週間前から山域には雨は降らなかった。よしと胸をなでおろすと今度は山行日前日から突如関東地方全域で猛暑日になり熱中症警戒アラートが発表。山行中に熱中症になる人が出てしまったらと慌てる。
一喜一憂の日々。まったく蕨山は登る前から心臓に負荷がかかる。
山行当日、猛暑対策として30、40分ごとに短めの水分補給休憩を入れてコースタイムは度外視して進むことにした。
予報にもかかわらず頂上までの登りでは時折吹く涼やかな風が汗で濡れた体を冷やし足取りを軽くしてくれた。登りの難所である岩場では、「岩場ですが何か?」という表情で皆フツーに登ってくる。今回のメンバーは六つ星屈指の健脚者ばかりなのだ。担当としては本当にありがたい。
山頂付近で昼食休憩後、下りのバリエーションルートへ入っていく。登山道は乾いており靴のグリップもよく歩きやすい。しかし、午後になり気温の上昇が気になり始めた。風もない。高度を下げていくとよけいに暑さが増すように感じられ休憩のたびにその場に座り込む人も現れた。
そんな私たちをしり目に頭上では生い茂ったブナの葉が幾重にも重なり強い初夏の光を浴びてキラキラと光り、地上では草木が繁茂していた。どこもかしこも生命力に満ち溢れていた。普段ならその美しい力強さに感嘆する私だが今回に限っては、地形を隠し地図読みを困難にする木々たちを恨んだ。
結果的には熱中症どころか足をつる人さえいなかった。その上、時間もほぼ予定コースタイム通り。参加者の登山レベルの高さとそれを上回るガッツ。頼りになるサブリーダーたちのサポート。メンバーに恵まれた故の好結果だった。
山行は斯くして終わり、ポンコツ担当にかけられた蕨山の呪いは解かれた。 (S.H 記)
◆第2の岩場を、障害者も3点支持で登る◆ ◆蕨山最高点付近で昼食休憩◆
◆蕨山展望台で集合写真◆ ◆バリエーションルートでは、危なかしげな倒木をくぐることも◆