2017年11月 定例山行報告

甲武信ヶ岳(2,475m)・G3 : 11月4日(土)〜5日(日)

天候:[1日目]晴れ後雪/霰、[2日目]快晴

参加:23名(視覚障害者7名,健常者16名)

コースタイム概略 : 
[1日目]JR新宿駅(6:00)=(6:56)高尾駅(7:06)=(8:12)塩山駅(8:30)→<山梨交通バス>→(9:40)西沢渓谷入口バス停(10:00)・・・西沢山荘前登山口(10:15)・・・ (12:00)1619m広場・昼食(12:30)・・・近丸新道分岐(13:30)・・・木賊山分岐(16:15)・・・(16:30)木賊山2467m(16:35)・・・(16:50)甲武信小屋2380m(泊)
[2日目]甲武信小屋(6:45)・・・(7:10)甲武信ヶ岳山頂(7:15)・・・(7:40)甲武信小屋(8:00)・・・破風山分岐(8:25)・・・木賊山分岐(8:30)・・・近丸新道分岐(10:50)・・・ (11:35)1619m広場・昼食(12:00)・・・(13:30)西沢山荘前登山口(13:40)・・・(14:10)西沢渓谷入口バス停(14:40)→<山梨交通バス>→(15:40)塩山駅・解散

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◆山は紅葉に彩られている◆ ◆標高1619mの広場で昼食◆
◆近丸新道分岐手前の急登◆ ◆木賊山山頂に到着◆
西沢渓谷入口バス停で降りた時の空気には普段の山行の時のような早朝の凛とした冷たさはありませんでした。
時刻は10時。既に多くの紅葉狩り観光客が訪れており、その賑わいの中を私たちは出発しました。 早朝は曇りの空模様でしたが、渓谷に向かうバスからは家々の庭に生(な)った赤い柿の実が映える青空が見え始めていました。 待望の秋晴れの予感に百点満点の山行になると疑わず六つ星達は1300mの標高差に臨みます。
今回のルートの徳ちゃん新道〜戸渡尾根は、単調でひたすら忍耐のいる登りではありません。 大小の砕石と縦横無尽に木の根が走るザレ場の急斜面を足下だけに注意して登ってゆくと突然傾斜が緩やかになります。 ホッとして顔を上げると紅葉の色彩がどっと目に飛び込んできます。そしてまた急登。 こんな感じで緩急が続く、なかなか憎い演出の登山道です。
高度2000mを過ぎた頃、突然、汗をかいていない自分に気がつきました。 気温がぐっと下がっていたのです。標高のせいかと一瞬思いましたが上を見ると昼の青空はどこにもなく雲行きは怪しげです。 それから誰かが「雪だ」と言うのを聞くまで大して時間はかかりませんでした。 雪は強風を伴い激しくなり地面を刻々と白く覆っていきますが、日没前に小屋に到着したい私たちはペースを落とせません。
小屋まで後少しいうところで木賊山の急な下りが現れました。 既に雪が積もっており、その上雪混じりの強風にバランスを奪われます。 サポートする方もサポートされる方も緊張と集中力を強いられる難所でした。 やっと小屋に到着し血中のアドレナリン量が急降下したのと同時に日も落ちました。
温かな食堂で名物のカレー食べ、楽しい団らんの一時を過ごしている時、ふと視線を感じ窓に目をやると冷たい空にくっきり浮かぶ青白い満月がこちらを見ています。 翌日の大快晴を私たちに約束している様でした。

晴天の甲武信ヶ岳の頂上からは八ヶ岳や南アルプスが冠した雪の表情までわかります。 眼前の秩父の山々は、その朗然たるディテールに間近でジオラマを観ているようです。 対照的に富士山はシルエットだけ。でもそれが逆に富士の霊性を一層強調しています。
青空を背景に紅葉も美しさを増し、そのフィルターを通して届く光は辺りを金色に染めます。 その中を前日の珍事を笑いながら私たちは下山しました。(S.H 記)
◆甲武信ヶ岳山頂から富士山もくっきり見える◆ ◆甲武信ヶ岳山頂で集合写真◆
◆甲武信小屋前で集合写真◆ ◆西沢山荘前登山口に無事帰り着いた◆