2006年10月 会山行報告

中央線沿線(大菩薩) 滝子山(1620m)・G3・10月1日(日)

天 候 : 曇り後、雨

参 加 : 20名(視障者6名)

コースタイム概略 : 中央線笹子駅 8:40  → 道証地蔵 9:42 → 急登・途中で雨具をつける → 尾根上で雨の中で昼 11:50〜12:15 → 浜立山 12:20 → 滝子山 13:20〜13:40 → 
桧平 14:20〜14:25  → 沢入口 14:55 → 村道 15:55 → 初狩駅16:30

写真にカーソルをあててください。写真の説明の文章が表示されます。
◆車道を1時間ほど歩き登山道に入る。まだ紅葉には早い樹林帯を進む。まだ雨は降っていない。なんとか昼ごはんを食べ終わるまでもってほしい、、 ◆ああ、、ついに降り出した。 この中に雨男、はたまた雨女がいるのか? でも皆元気、、かな?

 10月1日、六つ星山の会の滝子山山行に同行させてもらった。滝子山は大菩薩連嶺の南端にある標高1610メートルの山。当日の行程は笹子駅→浜立山→滝子山→檜平→藤沢川沿い→初狩駅。晴れていれば途中、富士山や白峰三山がよく見えるはずだが、朝から生憎の曇り。このルートは急な登りのうえ、地盤が軟弱で歩きにくい。しかも初めからペースは速い。会員のメンバーは健脚揃い。筆者はついていくのがやっと。視覚障害者をサポートするどころか足を引っ張らないようにするので精一杯。
 昼前からは断続的な雨になり、さすがにペースは落ちる。だが今度は斜面が滑りやすくなってきており神経を使う。危険はない山と いうことだったが滝子山の山頂手前は急峻な岩稜帯になっており、案内書によればそこで過去に4人の死傷者が出たとのこと。われわれ一行がそこに到着したときは、雨水が山道に浸透し、一段と滑り易くなっていた。こんなところを視覚障害者同伴で登れるのか?しかし躊躇するものはいない。視覚障害者はサポーターの誘導と指示に従って、他の人はベテラン登山者らしく、たいした滞りもなく整然と通過していく。一連の流れに危険が入り込む余地はない。信頼と協力、日ごろの鍛錬が一見、通過不可能ともおもえるような難所をなんともないように突破していく。見事なコラボレーションが生み出した感動のドラマ。これぞ「地上の星」、いや「山上の星」の世界なのか。
 六つ星山の会の創立者はMさん。Mさんも今回の山行に同行された。同氏は“きのこ博士”と呼べるほどきのこに詳しい方だ。途中いろいろなきのこのレクチャーを受けた。その中でも珍しいのは浜立山手前の尾根で見かけた夜行茸(写真)。何の変哲もない知らなければ見過ごしてしまいそうなきのこだが、なんと夜にはその名のとおり夜光塗料のように光るという。もっとも山奥にあるのだから、夜にそこまで出かけていって実際に光っているところを見るのは難しそうだ。
 頂上に到着したときは一時的に雨が上がっていた。登りがきつかった分、達成感は大きい。会員の皆さんにも、ほっとした表情の中に満足感が漂っていた。
 視覚障害者の方で山が未経験の方、ぜひ一度参加して登山の醍醐味を味わってください。今回のような比較的ベテラン向けだけではなく、初心者用の山行もあるそうです。勇気を出して参加してみればきっと得るものは少なくないはずです。自然との出会い、人との出会い、そして感動との出会い・・・。もちろん晴眼者の方にも参加をお勧めします。
◆シイタケのような茶色いキノコは食べられて、毒々しい色のキノコは毒がある、というのは違うようだ。夜行茸(やこうたけ)という珍しいキノコだそうだが、食べられるかどうか聞き漏らした。 ◆山頂にやっとついた。ちょうど雨があがり記念写真をと思ったが、全員を写そうとするとカメラマンが山頂からこぼれ落ちてしまう。 代表者で記念写真