1993年山行報告

1月24日(日) 白山(284m)

 天  候: 雪・雨・曇り・時々小雨
 山  域: 丹沢
  地 形 図:  厚木
 標 高 差:  220m
 コ ー ス: 小田急線本厚木駅からバス、飯山観音前から徒歩、飯山観音、女坂、展望台、白山神社、むじな坂、巡礼坂、
       七沢森林公園、森の民謡館からバスで本厚木駅 
 歩  程: 2時間
 参加人員: 視覚障害者9名、晴眼者21名、計30名
 感  想: 前夜の雪、今朝の大雪と大雨の結果22名の脱落となったが、参加者は歓声を上げて自らの強さを誇っていた。
       途中で大人数の団体が休んでいるのに出会い、同類がいて思わずエールを送った。


2月21日(日) ソフトコース 富山(350m)

 天  候: 晴れ
 山  域: 房総
  地 形 図:  金束
 標 高 差: 300m
 コ ー ス: JR岩井駅から徒歩、関十一州見晴台、岩井駅
 歩  程: 3時間20分
 参加人員: 視覚障害者12名、晴眼者23名、計35名
 感  想: 穏やかな早春の日を浴び、坂また坂の連続の道を登った。可憐な水仙の花が私たち一行をやさしく迎えて
       くれ、のんびりした楽しい一日でした。


2月21日(日) ハードコース 倉見山(1,256m)

 天  候: 曇り
 山  域: 道志
  地 形 図: 河口湖東部
 標 高 差: 856m
 コ ー ス: 富士急線東桂駅から徒歩、今宮神社、4等三角点、鉄塔、山頂直下の広場(昼食)、山頂、鉄塔、巡視路下り、
       東桂駅
 歩  程: 4時間10分
 参加人員: 視覚障害者9名、晴眼者23名、計32名
 感  想: 雪が現れ靴底でその感触を喜んでいたら、トラバース的な所で雪を崩しそうになり一瞬緊張した。頂上に
       向かう急坂の尾根にはベッタリ雪が張り付き滑る。ザイルに助けられて狭い頂上に全員笑顔で立った。


3月28日(日) ソフトコース 倉岳山(990m)

 天  候: 曇りすぐ雨
 山  域: 中央沿線
  地 形 図:  上野原、大室山
 標 高 差: 706m 
 コ ー ス: JR鳥沢駅から徒歩、石仏、高畑山、穴路峠、倉岳山、立野峠、梁川駅
 歩  程: 
 参加人員: 視覚障害者8名、晴眼者19名、計27名
 感  想: 急な登りにハードとソフトのコースを間違えたのではないかといいながら、皆結構楽しそうに登っていた。
       今日は氷雨であったが、山は確実に春が近い。一雨毎に暖かくなるかと思えば仕方ないか。


3月28日(日) ハードコース 赤鞍ヶ岳(1,299m)

 天  候: 曇りのち雨
 山  域: 道志
  地 形 図:  大室山
 標 高 差:  699m
 コ ー ス: JR藤野駅からバス、竹の本役場から徒歩、赤鞍ヶ岳、サンショ平、雛鶴峠からバスで藤野駅
 歩  程: 5時間
 参加人員: 視覚障害者8名、晴眼者22名、計30名
 感  想: この山は急登の連続で厳しいと聞いて覚悟していたが、樹林帯では鶯や野鳥の声が聞こえ、緊張の内にも
       心が和む。急斜面に張られたロープは切れそうで一人しか掴れない、サポーターは相当きつかったと思う。


4月18日(日) ソフトコース 明星ヶ岳(924m)

 天  候: 晴れ
 山  域: 箱根
  地 形 図:  関本
 標 高 差:  371m
 コ ー ス: 箱根登山鉄道強羅駅から徒歩、登山口、明星ヶ岳、阿弥陀寺、箱根湯本駅
 歩  程: 
 参加人員: 視覚障害者15名、晴眼者27名、計42名
 感  想: 無線の手配をしておかなかったため、連絡が密に取れなかったこと。先頭を歩いていていつの間にか自分
       のペースになってしまい、何度か注意されたことなど反省点がいくつかありました。


4月17日(土)〜18日(日) ハードコース 檜洞丸(1,600m)

 天  候: 17日 曇り  18日 晴れ 
 山  域: 丹沢
  地 形 図:  中川
 標 高 差: 1104m
 コ ー ス: 17日 小田急線新松田駅からバス、箒沢から徒歩、石棚山、つつじコース分岐、檜洞丸、青ヶ岳山荘(泊)
       18日 青ヶ岳山荘、富士見台、西丹沢自然教室からバスで新松田駅
 歩  程: 
 参加人員: 視覚障害者5名、晴眼者12名、計17名
 感  想: 暖かい河原で2時間の昼食と昼寝の幸せ。時間に余裕があり急登も急下降もゆっくり楽しめ、雪の上を歩き、
       夜外に出て星を見るガイドを受け、足を痛めた小鹿に会ったり記憶に残る思い出がたくさんあった。


5月23日(日) ソフトコース 西沢渓谷

 天  候: 晴れ
 山  域: 奥秩父
  地 形 図:  金峰山
 標 高 差: 500m
 コ ー ス: JR塩山駅からバス、西沢渓谷入口から徒歩、西沢山荘、つり橋、五段の滝、不動小屋跡、軌道跡、ナトリ橋、
       東沢山荘からバスで塩山駅
 歩  程: 
 参加人員: 視覚障害者8名、晴眼者31名、計39名
 感  想: よく整備された登山道ではあるが、渓谷を滑り落ちる水量が多く、サポーターの声が聞こえにくい。アップ
       ダウンも手伝って緊張した時間が続いた。


5月22日(土)〜23日(日) ハードコース 乾徳山(2,031m)

 天  候: 22日 雨  23日 晴れ
 山  域: 奥秩父
  地 形 図:  川浦
 標 高 差: 1131m
 コ ー ス: 22日 新宿からバスで徳和、みとみ山荘(泊)
       23日 みとみ山荘、銀晶水、錦晶水、国師ヶ原、扇平、鎖場、乾徳山、大平小屋、錦晶水、銀晶水、
          徳和みとみ山荘からバスで新宿
 歩  程: 8時間55分
 参加人員: 視覚障害者8名、晴眼者20名、計28名
 感  想: 岩場の狭い足場では身体を岩に摺り寄せカニの横ばい。靴が挟まったりザックが引っ掛かりアワを食った。
       前日の雨でシャワーを浴びた新鮮な自然に触れ、野鳥にも出会い、いろいろな植物とも握手が出来た。


6月20日(日) ソフトコース 三峰山河内神社(1123m)

 天  候: 晴れ
 山  域: 上州
  地 形 図:  後閑
 標 高 差: 423m
 コ ー ス: JR後閑駅から徒歩、河内神社、三峰沼、後閑駅
 歩  程: 3時間30分
 参加人員: 視覚障害者6名、晴眼者14名、計20名
 感  想: エゴノキの花咲くフワフワ気持ちよい山道。油を流したような神秘的な沼。ワラビや香りの良い山椒の若芽。
       甘酸っぱいモミジイチゴの実。幼い日の思い出を含んだ桑の実。自然からのプレゼントを頂いて下山した。


6月20日(日) ハードコース 三峰山(1,123m)

 天  候: 晴れ
 山  域: 上州
  地 形 図:  後閑
 標 高 差:  423m
 コ ー ス: JR後閑駅から徒歩、河内神社、三峰山、石神峠、上牧駅
 歩  程: 5時間50分
 参加人員: 視覚障害者5名、晴眼者15名、計20名
 感  想: 予報が嬉しくも外れ、空は晴れ、暑いぐらいの日差しとなって、小休止では皆日陰に入りそよ風に涼をとる。
       昨日の雨の後で、新緑と言ってもいい樹々のみずみずしさは、展望の少なさを十分補ってくれた。


 7月ソフトコース、ハードコースは台風接近のため中止


8月27日(金)〜29日(日) 交流山行 愛鷹連峰・越前岳(1,504m)

 天  候: 27日 大雨  28日 晴れ  29日 晴れ  
 山  域: 愛鷹
  地 形 図:  愛鷹山
 日  程: 27日 現地着(泊)  28日 交流登山、親睦会  29日 富士山資料館見学、お別れセレモニー
 参加人員: 視覚障害者34名(内六つ星山の会13名)、晴眼者67名(29名)、計101名(42名)
 感  想: 27日台風の影響で交通機関が麻痺状態の中42名が集合参加(不参加4名)。28日快晴の中の登山。澄み切った
       青い空にくっきりと富士山が聳え、高原を清清しい風が吹き渡る。親睦会は参加者がひとつに融和して盛り
       上がり、とても感動的であった。地元を始め多くのご支援の方々に感謝。
 
 割石峠コース

 コ ー ス: 須山口、大沢、割石峠、呼子岳、越前岳、十里木口
 標 高 差: 904m
 歩  程: 5時間15分
 参加人員: 視覚障害者7名、晴眼者16名、計23名
 感  想: 水場が多く沢で顔を洗い、喉を潤し生き返った心地がする。越前岳への道は苦しくザイルを頼りに登り、高い
       段差は手で足を持ち上げる。山頂で他2コースと再開。素晴らしい眺望と爽やかな風に苦しさも吹き飛んだ。

 須山口コース

 コ ー ス: 須山口、愛鷹山荘、越前岳、十里木口
  標 高 差:  904m
 歩  程:
 参加人員: 視覚障害者14名、晴眼者26名、計40名
 感  想: 溝状の登山道は急勾配で木の根元の土が鉄砲水に流され、宙に浮いているものが多い。これは水を含み滑り
       易く、段差も大きくなって歩き難い。下見の時の田圃のような泥濘と胸まで濡らした藪は綺麗に乾いていた。

 十里木コース

 コ ー ス: 十里木口、越前岳、富士見台、愛鷹山荘、須山口
  標 高 差:  754m
 歩  程:
 参加人員: 視覚障害者12名、晴眼者22名、計34名 
 感  想: 関西某氏のユーモアたっぷりの自己紹介で和やかな雰囲気の中出発。正面に富士山、南アルプス、伊豆半島
       や駿河湾も見え幸福感を味わう。下山路はソフトコースには一寸きつくサポーターに苦労をさせてしまった。


9月26日(日) ソフトコース 顔振峠から越上山(566m)

 天  候: 快晴
 山  域: 奥武蔵
  地 形 図:  原市場、飯能
 標 高 差: 394m
 コ ー ス: 西武線吾野駅から徒歩、顔振峠、諏訪神社、越上山、ユガテ、東吾野駅
 歩  程: 5時間
 参加人員: 視覚障害者12名、晴眼者25名、計37名(内会員外7名)
 感  想: 高麗川の奏でる優しい音楽が、心地良く耳に響く。晩夏の主役ツクツクボウシと初秋の名脇役彼岸花の競演
       が皆を喜ばせてくれた。頂上直下の岩場はトラバースも出来たが、ゆっくり時間をかけて皆でクリヤーした。


9月26日(日) ハードコース 四ツ又山(899m)

 天  候: 晴れ
 山  域: 西上州
  地 形 図:  下仁田、荒船山
 標 高 差: 599m
 コ ー ス: 上信電鉄下仁田駅からタクシー、宮室から徒歩、鍾乳洞、大天狗峠、四ツ又山、マメガタ峠、大久保から
       タクシーで下仁田駅
 歩  程: 4時間
 参加人員: 視覚障害者7名、晴眼者17名、計24名
 感  想: 吸い込まれそうな碧い空の中に、鋸歯状のピークが四つ並んだ四ツ又山が見えた。杉木立の暗い山道にパッ
       と火を灯したようにフシグロセンノウの花が浮き上がる。帰途、赤く染まっていく西の空に、黒い山並みが
       映し出される様を視覚障害者の方に話していて思わず胸が熱くなりました。


10月17日(日) ソフトコース 大塚山(920m)

 天  候: 曇り
 山  域: 奥多摩
  地 形 図:  武蔵御岳
 標 高 差:  533m
 コ ー ス: JR古里駅から徒歩、寸庭橋、登山道入口、鉄塔、広沢山、大塚山、古里駅
 歩  程: 4時間45分
 参加人員: 視覚障害者9名、晴眼者15名、計24名(内会員外3名)
 感  想: 激しい登り坂は途中道なき道でフワフワとした地面を歩き、左右に杉と雑木林がある山らしい山でした。
       昼食では鍋で温めたおでんの他いろいろな差し入れがあり、美味しくお腹いっぱい頂きました。

10月16日(土)〜17日(日) ハードコース 雲取山(2,017m)

 天  候: 16日 曇り  17日 小雨後曇り
 山  域: 奥多摩
  地 形 図: 丹波、雲取山
 標 高 差: 1487m
 コ ー ス: 16日 JR奥多摩駅からバス、留浦から徒歩、鴨沢、堂所、町営奥多摩小屋(泊)
       17日 奥多摩小屋、雲取山、奥多摩小屋、七つ石山、鴨沢、留浦からバスで奥多摩駅
 歩  程: 16日 6時間  17日 6時間
 参加人員: 視覚障害者10名、晴眼者19名、計29名(内会員外2名)
 感  想:  長雨で山道はしっとりとして絨毯の上を歩くようだ。数本だが燃えるが如き紅葉があり、秋の始りを感じる。
       山頂では眺望が効かず蝕地図で富士山を見る。登山競争のランナーに出会い我々も元気付けられた。


11月28日(日) ソフトコース 大菩薩嶺(2,057m)

 天  候: 晴れ
 山  域: 大菩薩
  地 形 図:  大菩薩峠
 標 高 差: 467m
 コ ー ス: JR塩山駅からタクシー、福ちゃん荘から徒歩、雷岩、大菩薩嶺、大菩薩峠、福ちゃん荘からタクシーで塩山駅
 歩  程: 
 参加人員: 視覚障害者18名、晴眼者34名、計52名(内会員外4名)
 感  想: 尾根道には遮るものがなく冷たい風が吹き付け、ザックにかけた手がかじかみ感覚がなくなりそう、鼻も
       赤鼻のトナカイのようになる。小屋に着き生姜湯や甘酒を飲んで身体を温め、ホット一息ついた。


11月28日(日) ハードコース 本社ヶ丸(1,630m)

 天  候: 晴れ
 山  域: 中央沿線
  地 形 図:  笹子、河口湖東部
 標 高 差: 780m
 コ ー ス: JR大月駅からバス、東山梨変電所、登山口、清八峠、本社ヶ丸、清八峠、登山口、東山梨変電所、笹子駅
 歩  程: 5時間10分
 参加人員: 視覚障害者6名、晴眼者13名、計19名(内会員外3名)
 感  想: 山頂では雪をかぶった富士山が見えると、その方向に体を向けて教えて頂きましたが、あまりの寒さにすぐ
       下山しました。下りは霜が解けて滑るのではないかと心配したが、一足一足慎重に運び無事下山出来ました。


12月12日(日) 忘年山行 丸山(930m)

 天  候: 晴れ
 山  域: 奥武蔵
  地 形 図:  正丸
 標 高 差: 624m
 コ ー ス: 西武線芦ヶ久保駅から徒歩、大野峠、丸山、木の子茶屋(忘年会)
 歩  程: 3時間30分
 参加人員: 視覚障害者23名、晴眼者39名、計62名(内会員外4名)
 感  想: 山は寂として音もない。靴底はしっかり大地に密着して、ぐいぐい身体をせり上げてくれる。苦手な登りが
       こんなにいい気分で続けられる。これも皆「六つ星」が私にもたらしてくれた健康のお陰だ。感謝、感謝。

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